12/6(土)マイナス30度で装備チェック

  

ユーコンのウェアがおおよそ揃ったのと下見でユーコンに行くまでの時間が1ヶ月切ったので、
アドベンチャーレースの先輩の寺さんの冷凍庫を借りて装備チェックをおこなった。

前回は9月19日に宇都宮で冷凍庫を借りておこなったが、そのときはウェアもシュラフも検討中で手元になかったため、その時点で持っている中で最高の装備を使った。その時点で・・・と言っても2年前に南極(夏だからそれほど寒くない)に行っているのでそれなりの装備ではある。宇都宮の冷凍庫は設定温度マイナス20度、空気の流れがあり体感でマイナス25度くらいかなということだったが結果は惨敗。出たり入ったりしつつ3時間ほどやっていたが早く終わりたくて仕方がなかった。

そして今回。本番装備が揃っているとはいえ冷凍庫の設定温度はマイナス30度。宇都宮のように中で走れるような広さはないが、シュラフで寝たりするくらいの広さはある。案内されると冷凍庫内中心部は冷気の微風が発生しておりなかなかの冷え具合。冷凍庫内に一人になると気分はドラゴンボールの精神と時の部屋である。良い修業の成果を得られるとよいが。

やや薄着の状態で装備一式を持って中に入って上着を着ていく。少しずつ体が冷えてくるがしっかり着ていけば問題はなさそう。何より前回まったく対応できなかった手足の冷えがまったく問題ない。細かい問題点はあるものの装備が対応できていないという致命的なものではなく、作業に手間取るとか手順とか慣れとちょっとした工夫が必要というレベルにステップアップした感じ。冷凍庫内に入っていた時間は2時間で持って行った温度計はだいたいマイナス28度を指していた。

以下は今回使ったウェアと所感。上から順番(内側)に着用する。

<足>

ソックス:メリノウールパイルソックス L(パイネ)
ソックス:Thick MidLength Socks Black L(SealSkinz)
シューズ:クラッグステッパー 28.5cm(モンベル)
シュラフ内のみ:テントシューズショート(ナンガ)

メリノウールソックスとシューズのみで冷凍庫に入っていたが全然寒くならなかった。シューズは少々重くなったがアッパーが革製なのがよかったのか?しばらくしてもなんともないのを確認してから、テストなのでSealSkinzを重ね履きしたらSealSkinzの冷えで一気に足が冷たくなり感覚が鈍くなってきた。シュラフに入り足をこすり合わせて温めようとしたが冷たいままSealSkinzを脱いでテントシューズを履いたらすぐに温かくなった。SealSkinzを必要になったときに履く、または行動開始時に冷えたシューズを履くという場合が少々危険な気がする。どちらも睡眠時にシュラフの中に入れる準備をしておくことが必要かもしれない。

注文済でまだ届いていないが、シューズの上から悪天候時に履くオーバーシューズを使う。
オーバーシューズ:Neos Trekker

<手>

メリノウールインナーグローブ(モンベル)
ライトシェルグローブ L(AXESQUIN)
アルパイントリガーフィンガーミトン(モンベル)
ウェザ-テックオ-バ-ミトン(イスカ)

4枚重ねて着けることでまったく問題なし。細かい作業をするときは外側2枚を取るが、取った瞬間から時間との闘いが始まる。手が冷え切るまでに作業を終えなければいけない。一度に作業できるのは1分程度か?手が冷え切ったら全てのグローブを着けて手を温めなければいけないが、問題なく温まることができた。ただ足の温めなおしに使ったテントシューズの温まりっぷりがとても良かったのでグローブもダウンミトンがあると安心かなと思った。時間のかかる作業をするときは時間を細切れに作業と温めを繰り返しておこなうことになるだろう。

<上半身>

CAPILENE 1 SILKWEIGHT(パタゴニア)
R1フーディ(パタゴニア)
NANO-AIR HOODY(パタゴニア)
DIMENSIONS JACKET(パタゴニア)
DASパーカー(パタゴニア)

DASパーカーなしだと少し冷えてくるかなという程度。行動していればDASパーカーはなくても大丈夫そう。休憩用・緊急用にDASパーカーという感じで。CAPILENE 1は薄すぎてあまり意味がない気がする。アンダーウェアはCAPILENE 4に統一しようと思う。さらに保温は良くなる。ただ頭の片隅に気温がマイナス1桁程度に上がることもあると覚えておかなければならない。フードをかぶっても顔の正面が空いていると口・鼻が冷えてくるため、ウェアのジッパーを一番上まで上げて顔の下半分をカバーすると温かくなるが呼吸でウェアが濡れてしまう。短い時間なら問題ないが濡れて凍ると最終的に使えなくなる可能性がある。それと鼻水が出てくるのもやっかい。DIMENSIONS JACKETのフードにファー(毛がもこもこしているやつ)を付ける予定で購入済なので、それである程度解決する可能性もある。後は今井さん(こういうレースに出場経験あり)お勧めのカシミアのマフラーだが、これも最終的には凍って使えなくなるのでは?と思うので、安いネックウォーマーをドロップバッグでデポして凍ってもよしという使い捨てのような感じでやってはどうかと考えている。

<下半身>

CAPILENE 4 タイツ(パタゴニア)
ALPINE GUIDE PANTS(パタゴニア)
DASパンツ(パタゴニア)

DASパンツなしだと寒そう。がんばって動いているときや気温が上がっているときは大丈夫だと思う。上半身のDASパーカーよりは下半身のDASパンツのほうが出番が多くなると感じる。ALPINE GUIDE PANTSより温かいバックカントリーパンツを持っているためこちらを最後のドロップバッグに入れて最終セクション(最も寒い)用にしようと思う。

<シュラフ>

マット:inertia ozone(klymit)
シュラフ:オーロラ900改(ナンガ)

マットは空気を入れて膨らませる、シュラフの中に入れて使うというもの。精一杯膨らませたつもりだが冷えるためか完全に膨らみ切らない。それでもシュラフに入り寝てみると快適。このマットには枕も付いているが枕部分を膨らませるとシュラフの頭部をかぶれなくなってしまう。枕は膨らませず何か別のものを枕替わりに置くのが良さそう。このマットは極めて快適だがシュラフ内に入れるためシュラフ内のスペースが小さくなる。睡眠時に凍らせたくないもの温めておきたいものはシュラフ内に入れて寝る必要があるためスペースが小さくなるのは少し残念。シュラフ内でグローブを外したり、SealSkinzを脱いだりしていたらシュラフ内のどの辺に何があるのか全く分からなくなった。本番時はこれに電気製品やヘッドライトも加わるためシュラフ内で物を整理しておく工夫が必要。

試しにマットをシュラフの下に敷いてみたが収まりが悪いというかシュラフがきちんとマットに乗っているのかわからず部分的にシュラフがつぶれて冷えてきた。雪の上だとなおさら不安定になるだろうし、空気が冷えてマットがつぶれるだろうし、パンクも怖いのでこのマットを使うならシュラフの中。シュラフ内のスペースを優先させるなら別のマットを購入ということになるかと思う。寝心地が抜群にいいのでシュラフ内スペースは我慢か。

撤収時にはシュラフを袋にしまうが通常の収納袋に入れるのは困難だと思う。大きな防水袋を用意し、マットをinertia ozoneにするならマットごと(空気は抜く)シュラフを丸めて袋に入れてソリに乗せるというようにしたい。

<その他>

時計は普通に腕に付けると「ウェアの重ね着+グローブの重ね着」が複雑に重なり合った下に時計がある状態になるため見るのが大変な上に、見た後でウェアや手袋を直すのが大変なため腕には付けないほうが良さそう。その一方でウェアの上に付けるなど体温の及ばないところに付けると、動作しない・液晶が表示されないといった状態になる可能性が高い。アナログ時計をウェアの内側にというのが良いかもしれない。

メガネは役に立たない可能性が高い。ウェアなどで口元を覆ったときに呼吸が上に抜けてメガネに当たると凍りついて見えなくなってしまう。幸い裸眼でもおおよそ見えているため基本は裸眼にして、ルートファインディングなど視力が必要なときのみメガネを出すという方法にしたい。おそらくなくても大丈夫。

■■■ 以下試すのを忘れたが、1月の現地テストでおこなう。

<ゴーグル>
たぶん問題ないだろう。

<ハイドレーション>

行動中はハイドレーションに水を入れ凍らないように「ウルトラスパイア アルファ」でウェアの内側(R1フーディの上くらい)に着用しようと思っている。ハイドレーションの上に着用するウェアが窮屈になるため寒い中でのウェアの着脱にどのような影響があるか?睡眠時はシュラフの中に入れておかないといけない。暴発するとアウトなので防水袋に入れてシュラフに入れる。

<シュラフの使い方>

今回はウェアを全て着てシュラフに入ってしまった。途中でDASパーカーは脱いだが、もっと薄着で入ってこそシュラフのスペックが生きるのだと思う(自分の体温をシュラフに伝えて温まる)。どこまで脱ぐのがバランスがいいのか、脱いだウェアはシュラフ内に入れておかなければいけないか、外に置いて問題ないものもあるかなど確認が必要。

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