出発 / カトマンズ到着
羽田からバンコク経由でカトマンズへ向かう移動日。到着後はSIMの手配やガイド会社との合流を済ませ、夜は一人でタメルを歩き回る。久しぶりの砂埃と混沌に触れながら、ネパール修行の旅が静かに始まっていく。
Mountain Trek & High Altitude Journey
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カトマンズからルクラ、ナムチェ、ゴラクシェプ、ゴーキョ、レンジョパスまで。高所順応、峠越え、下山、そして帰国までを含めた、長いヒマラヤの旅を日付順にたどれる一覧です。
日本を出発し、カトマンズで街の空気に慣れながらトレッキング前の時間を過ごす。
羽田からバンコク経由でカトマンズへ向かう移動日。到着後はSIMの手配やガイド会社との合流を済ませ、夜は一人でタメルを歩き回る。久しぶりの砂埃と混沌に触れながら、ネパール修行の旅が静かに始まっていく。
朝は一人で旧市街を歩き、午後はガイドと合流してボダナートへ。街の交通事情、宗教施設、生活の感覚を聞きながら、ネパールという国の輪郭を少しずつつかんでいく。最後はダルバール広場まで足を延ばし、ルクラ行き前日の街歩きを締める。
ルクラから歩き始め、ナムチェを経て高度順応しながら山の時間へ入っていく。
早朝に国内線でルクラへ飛び、ガイドのビピンさん、サポーターのナビンさんと合流。歩き始めは余裕たっぷりで、撮影しながらのんびり進む。初日の短い行程のあと、寺院まで足を延ばしてヒマラヤの入口に立った実感を深めていく。
通学する子どもたちや次々現れるロッジを横目に、ゆるやかに高度を上げてモンゾへ。まだ体調に大きな問題はないが、頭の芯の重さや紫外線の疲れに、高所へ入ってきた気配を感じ始める。洗濯や温水シャワーが使えるうちに、環境の変化にも慣れていく日。
川沿いの谷を進んだあと、一気に標高差700mを登ってナムチェへ。途中で初めて小さくエベレストが見え、いよいよ核心部へ近づく手応えが生まれる。高所の街らしい店の多さや賑わいに触れつつ、順応の拠点となるナムチェに到着する。
高度順応の日として、ホテル・エベレスト・ビューとクムジュン村を周遊。エベレスト、ローツェ、アマダブラムがきれいに見え、歩くこと自体がご褒美のような一日になる。一方で、観光業に支えられた村の暮らしや、山の内側の現実も見えてくる。
下り基調から川を渡って再び標高を上げ、タンボチェを経てデブチェへ。寺院や高山の景色に近づきながら、環境は少しずつ厳しさを増していく。持ってきた日本食を試したり、酸素ボンベの話を聞いたりして、ここから先の高度帯への意識が強まる日。
マイナスの朝を越え、快晴の中をディンボチェへ向かう。全方位を高峰に囲まれる景色に入り、写真を撮る手が止まらない。いよいよ通信や電力事情も厳しくなり、日常の快適さが薄れていくなかで、ヒマラヤの核心に近づいていく実感が濃くなる。
5000mを越える高所へ。順応、葛藤、回復、峠越えまでが連続する旅の核心部。
順応のため近くのピークへ登る日だが、歩きながらガイド付きトレッキングへの違和感や、自分が山に求めているものを率直に打ち明ける。対話の末にチームとしての意識が揃い、ここから先をより前向きに歩ける感覚が生まれる。標高5000m超の急斜面も含め、精神的にも大きな転換点になる一日。
緩やかな登りから始まり、記念碑の並ぶ場所を越えてロブチェへ。目的地は近づいているのに、環境の厳しさは着実に増していく。静かな音を聞きながら歩くための「10mルール」を試し、自分にとって心地よい歩き方を見つけていく日でもある。
夜の血中酸素は70まで落ち、眠れないまま朝を迎える。回復の兆しはあっても体は重く、ハードな道を朦朧と進んでゴラクシェプへ。予定していたエベレストBCは翌日に延期し、まずは休む判断を受け入れる、高所の厳しさが最も生々しく出る一日。
前日から一転して体調が戻り、朝はカラパタール、午後はエベレストベースキャンプへ。プモリの迫力、エベレストを望む眺め、氷河の上を吹く風と寒さまで、高所の景色を全身で受け取る。ゴラクシェプに戻るころには疲労も濃いが、この旅の中心に立った達成感が大きく残る。
クンブー氷河に別れを告げ、チョラパス方面へ分岐してゾンラへ向かう。移動だけの日のはずが、途中で体調を崩し、青空トイレを繰り返しながらの後半になる。翌日の最難関であるチョラパスを前に、不安と慎重さが入り混じる一日。
今回最大の難所であるチョラパスへ。凍った川、巨大な岩、氷河のトラバースと、高所ならではの険しい地形が連続する。峠に立った喜びは大きく、下りの長さまで含めてこの遠征の山場を強く実感する、核心の一日。
氷河地形を越えてゴーキョへ入り、午後はゴーキョリへ登って日没を待つ。4つの8000m峰が見渡せる景色は圧巻で、夕景からマジックアワーまで撮り続ける時間が旅の密度を一気に高める。暗くなった帰路は思わぬ形でトレランになり、楽しさが前面に出る日でもある。
前日の疲れを抱えたままレンジョパスへ向かうが、峠に立てば再び大きな山々が視界に広がる。下りに入ると標高が下がるにつれ体が軽くなり、酸素のありがたさを痛感する。長い一日の終わりには、核心部を抜けてあとは帰るだけという空気がはっきりしてくる。
高所を離れ、ナムチェ、ルクラ、カトマンズへ。旅の後半は余韻と現実への復帰が重なる。
標高が下がったことで精神的にも身体的にも余裕が戻り、のんびりナムチェへ戻る。ナビンさんとの会話も増え、トレッキング終盤らしい穏やかな時間が流れる。行きにも泊まったロッジの部屋へ戻り、長い山行の輪が少し閉じるような感覚が残る。
ナムチェ連泊の余裕を使ってクンデビューポイントまでハイキング。景色は素晴らしいが、すでに数日かけて見てきた風景でもあり、旅の終盤らしい落ち着きがある。午後はカフェやロッジでゆっくり過ごし、日程を消化しながら帰路を意識し始める。
一度通った道を一気に下り、モンゾやパグディンを越えてガットまで進む。歩きそのものは淡々としているが、環境はぐっと快適になり、シャワーや寝具のありがたさが増す。使わなかった装備の棚卸しをしながら、山での生活を少しずつ畳んでいく日。
ルクラ直前の登り返しを越え、トレッキングの終点へ戻る。午後は街を歩き、ガイドたちと今回の旅を振り返るミーティングも行う。良かった点も改善点も伝え、チップを渡して一つの旅としてきちんと区切りをつける日。
早朝の空港で天候を気にしながら飛行機を待ち、幸運にも最初の便でカトマンズへ戻る。ホテルに入って久しぶりの風呂に浸かり、17日ぶりのシャワーと熱い湯に旅の終わりを実感する。夕方は街へ出て、日本風の食事にほっとするカトマンズ再開の日。
スワヤンブナートやダルバール広場を歩きつつ、観光地そのものよりも街路や普通の生活の方に惹かれていく。英語でのやりとりに前より迷いがなくなっていることにも気づく。22日間続けて日記を書き切れたことを確かめながら、ネパール滞在の最後を静かに過ごす一日。
ガイドの見送りを受けて空港へ向かい、遅延を挟みながらバンコク経由で日本へ戻る。長い移動の途中には、ネパールでの出会いや高地で痛めた喉のことまで旅の余韻が残る。帰宅してシャワーを浴び、ようやくこの長い遠征が現実の生活へ接続される。