12/6(木)ペリトモレノ氷河

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朝6時30分から朝食にする。パンとコーヒーとオレンジジュース。パンがおいしい。このパンは昨日教えてもらったパン屋から仕入れていると思う。7時30分にペリトモレノ氷河ツアーのお迎えが来るので少し早く宿のロビーへ出る。自分たちの他におじさん1人が同じ会社のツアーにいくようだ。宿の人との会話に「ウプサラ」とか聞こえてきたのでウプサラ氷河に行く別のツアーなのかな。7時30分になってもお迎えは到着せず、宿の奥さんに「こっちは時間は遅れるのが普通だから」と声をかけられる。少しくらいまったく気にしませんよ。7時30分を数分過ぎてツアー会社のマイクロバス到着。数分なんて遅れたうちに入らず。時間通りではないか。ツアーのチケット見せてバスに乗り込み出発。バスは別の宿にも寄ってお客さんをピックアップしていく。
 
街の中の交差点でバスは止まる。近くに大型の観光バスがいてバスを乗り換えるようだ。マイクロバスで宿を回って参加者を集め氷河へは大型バスで行くようになっている。街を出ると砂漠のような荒野の中の道路をバスは進む。行く先には山が見えているがまだまだ遠そうだ。カラファテからペリトモレノ氷河までは80kmほどの道のり。湖のほとりのパーキングで5分間のトイレ休憩。バスの出発時間になってもれなっちが戻ってこないのでトイレの中に向かって呼びかける。少し眠ってしまって目を覚ますとバスは止まっていて「着いたのかな?」と思うと、ここは国立公園の入口。公園の係員がバスに乗ってきて入場料100ペソを集金していく。もうバスの外の風景は荒野ではなく左手に川、右手に山で緑もきれい。進行方向をよく見ると川の上流に氷河が見え始めだんだん大きくなってきた。
 
バスは小さな展望台に寄り道。5分だけの立ち寄りですぐに出発するとのこと。ペリトモレノ氷河も全体像が見えるようになっていて周辺の雪をかぶった山々も美しい。下のほうを見下ろすと船が停泊している。おそらくあの船に乗って氷河に行くはずだ。再びバスが出発するとやはり展望台から見えた船着き場に下りていくようだ。到着するとバスにここから先のガイドをしてくれる人が乗ってきてスペイン語と英語でこの先の説明をしてくれる。とりあえず「follow me」だけはわかったので(笑)付いていく。小さな観光船に乗り込みペリトモレノ氷河へ出発。船着き場からは氷河は見えなかったが出発するとすぐに見えてくる。船のデッキは氷河を写真に撮ろうとする人でいっぱい。人と人の隙間から写真を撮るような状態だった。
 
氷河が近くなると少しずつ氷の塊が流れてくるようになる。南極のように大きなものはないが少し青みがかっているきれいな氷だ。船がペリトモレノ氷河に近づくと高く垂直に切り立った氷河先端部分の迫力がすごい。時々氷が崩れる音が聞こえるのだがどこで崩れているのかはわからず。目で見える部分で崩れれば少なくとも水面が波打つからわかるはずなのだが見えない死角の部分で崩れているようだ。地球の歩き方によるとペリトモレノ氷河は全長約35km(チリとの国境の山あたりから続く?)、先端部の幅は約5kmで、1日に平均して2m進むという。そのため暖かくなる夏場(12月~3月)には頻繁に氷河の崩落が見れるらしい。
 
船を下りるとスペイン語ガイドと英語ガイドの2グループに別れて歩く。少し先へ進むとログハウスのような休憩場所とトイレがあり、ここで氷河のミニトレッキングについて軽く説明がおこなわれた。ここには売店はなく雨風を凌ぐことのできる建物とトイレである。昼食は各自で用意してこなければならない。手袋を持ってこなかったので貸出用の軍手を借りてトレッキング開始。
 
最初は森の中の普通のトレイルで木々の間から氷河が見える。しばらく歩くと氷河の湖のほとりに出て視界いっぱいに氷河が広がる。写真を撮りながら湖沿いを進んでいよいよ氷河のすぐ脇に到着。ここには小さな小屋・・・というよりは腰掛けられるベンチとちょっとした屋根があり、鉄製のアイゼンがたくさん置いてある。登山用品店で売られているような高級なアイゼンではなく、いかにも”鉄”という感じの無骨な代物だ。どうやって装着するのかと手に取って自分で付けれるか試みたがよくわからない。このアイゼンはガイドさんが1人1人に付けてくれるようになっていて順番待ち。
 
アイゼンをしっかりと付けてもらい。氷河の上に足を踏み出します。岩と土の地面から白い場所に踏み出したときは、最初は岩の上に雪か氷があって少しずつ完全な氷になっていくのかと思いましたが、いきなり岩から氷に変わりました。表面は雪のように見えていますが完全に氷です。南極では氷の上にしっかり雪があったためアイゼンは不要でしたが、ペリトモレノ氷河はしっかり氷のため確かにアイゼンが必要です。氷河の上は踏み後をたどって1列で歩きます。歩く間はポケットに手を入れたりしないこと、立ち止まって写真を撮ったりしないことを注意されました。歩くときは滑ったり滑落したりしないように歩くことに集中しますが、ときどきまとまった人数が立ち止まれる場所で止まって写真撮影タイムがあります。氷河の裂け目は青く輝き、場所によっては氷河が解けて流れ出した水が川となり氷河に深い穴を作って滝のように流れ落ちています。青い氷河(ブルーアイス)は南極でもたくさん見たが、氷の塊が波長の短い光を強く反射するから青く見えるとか理屈でわかってもなお不思議な色を出している。
 
氷河のトレッキングツアーは何グループかいて中には氷河の山の上の方まで行っているグループもある。上のほうに行くのは「Big Ice」のツアーだろう。参加しているミニトレッキングは最初は氷河を登って行き、ぐるっとループを描くようにコースを取って下り始める。歩くのは1時間程度と聞いていたのでもう戻る感じかなと思うが1時間で十分楽しめたかな。それ以上歩いていても飽きてしまいそう。スタート地点の近くまで戻ってきたところに木のテーブルが置いてあり、そこで氷河の氷でウィスキーを飲むサービス。ガイドさんがピッケルで凍りを砕いて並べたグラスに氷をばらまきウィスキーを注ぐ。お酒が好きな人には最高なのだろうが私はお酒が好きではないので(飲めない)一口だけ。残りはれなっちに飲んでもらう。彼女はお酒大好きなのでウィスキーのグラスをかざして氷河をバックに写真を撮ったり実に楽しそうだ。
 
トレッキングは終了しアイゼンを外し森のトレイルを歩いて船着き場のほうへ戻る。途中で何度か「どーん!」という氷河の崩れる音を聞くが崩れているのは見えない。思ったよりも頻繁に崩れる音がして氷河が生きているという感じがする。船着き場に到着しどのグループと一緒に船に乗って行けばよいのかわからなくなってしまったため、同じグループで氷河を歩いていたアジア系の人の後に付いていって船に乗る。するとガイドさんに「あなた達は次のグループ」と陸へ連れ戻された。ログハウスで昼食を食べながら次の船を待っていろということらしい。外にいると風が強く寒いためログハウスの中に入ると確かに来るときのバスに乗っていた人たちがいる。しばらくしてみんなが動き出したので付いていって一緒に船に乗る。
 
船は氷河のそばをゆっくり進む。時々崩れる音がするので適当に動画撮影していたら一度くらい写るのではないかと動画撮影していたら、小さいながらも崩れたのを撮影成功。船が岸に到着すると確かに来たときに乗っていたバスがいて安心する(フロントガラスにひびが入っているので判別)。バスに乗ってもうカラファテに戻るのかと思っていたらさらに先の展望台へ。先ほど船から見たよりも氷河に近く、しかも氷河よりも高い位置にあるため氷河の上がどうなっているのかをよく見ることができる。
 
展望台には植生を荒らさないように金網で作られた遊歩道が何本もあった。かなり遠くまで足を延ばせるコースもあるが、自由時間は1時間しかないため集合場所に近い遊歩道を一周する。今日のペリトモレノ氷河ツアーは、最初に遠くの展望台から見て、少しずつ近づいてトレッキングで氷河の上を歩き、船で低い位置から見て、最後に至近距離の高い展望台から氷河の上部を見て、さまざまな角度から氷河を満喫することができた。このツアーに参加して本当によかったと思う。土産物屋と売店に立ち寄りバスの出発まで少し時間に余裕があったためエンパナーダを食べる。
 
バスはカラファテへ向かう。意外と疲れていてぐっすり眠ってしまった。目を覚ますとバスはカラファテに入ったところ。バスが停車すると近くにマイクロバスが止まっていて係の人がマイクロバスに乗り換える人の名前を呼んでいく。少しずつお客さんを降ろしながらバスは街の中へと入っていく。そろそろ呼ばれるかなというところでバスは止まり、待機していたマイクロバスに乗り換えてすぐにミヤザトインに到着。このシステムはすごいと思う。無線でどこまで来ているのか連携しているんだろうけどお客さんを路上で待たせることなくマイクロバスと連携して各宿の前まで送り届けるとは。宿への帰宅は18時ちょっと前。10時間程度のツアーであった。
 
20121206_3.jpgアルゼンチンといえば肉!ということで夕食は肉料理を食べに行く。ペソが少なくなってきたので両替屋に立ち寄って300ドルを両替。明日から金・土・日とチャルテンに行くが、チャルテンはとても小さい村の上に土・日なので両替できない可能性が高いためカラファテでペソを確保しておく必要がある。肉料理を食べるお店は地球の歩き方を見ずにぶらぶら歩いてフィーリングで決めた。メニューを見ると「パタゴニアンズ・クラシック」というのを発見(128ペソ。パンはデフォルトでついてくる)。これしかない。お店の入口脇のガラス張りの部屋で丸焼きが作られていて、何かのメニューだけは奥の厨房ではなくその部屋の丸焼きを骨ごとナタでたたき切って皿に山盛りにして運ばれている。「パタゴニアンズ・クラシック」は、あの部屋から出てきそうな気がするぞ。期待通りガラス張りの部屋でナタを力一杯振り下ろして作られた肉の塊が運ばれてくる。さっそくいただくが・・・あまりおいしくない。見た目は豪快でかなり嬉しい感じだがパサパサしていてすぐに飽きてしまう。あまりきれいに食べずに噛みつきやすいところだけ大雑把に食べて終了。お腹はいっぱいになったけど飽きた。そして肉は当分いらないという気持ちになった。
 
宿に戻って地球の歩き方を見ると行ったお店が載っている。「カシミーロ・ビギュア」というお店で人気メニューは「パタゴニアンズ・クラシック」見事に当たりです。明日からのチャルテン行きの準備。ミヤザトインでチャルテンに不要な荷物は預かってくれるため最低限の荷物をパッキング。昨日と今日の宿代も支払う。1泊90ドルだが現金支払いは1割引きとのことで81ドルになった。明日から3日間はエル・チャルテンへフィッツロイに出会う旅。晴れますように!
 

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