Virtual6633 2021

福島県福島市~宮城県黒川郡(108km)

目が覚めると2時30分だった。3時間程度しか寝ていないが、もう一度寝ると寝すぎる気がするので出発することにする。夕食に食べきれなかったカップラーメンを食べて荷物をまとめて3時30分にチェックアウト。フロントの人は数時間前に安全ピンがないか話した人だったので、夜遅くに到着して電車も動いていない時間にチェックアウトするのは不思議に思っただろう。福島駅前まで戻ってから再出発する。走り始めるとすぐに汗をかきはじめる。一番気温が低い時間帯のはずなのに暑い。道路に温度表示があり13度になっていた。今日はあと数時間もすると雨が降り始めて低気圧が通過する。低気圧が通過した後は強い北風が吹いてその後は普通の冬の気温になると思う。

15kmほど走って6時ごろ「道の駅・国見あつかしの郷」に到着。夜が明けて明るくなった。トイレに寄ってコーラを買って建物の中で座って少し休憩する。すでに脚が疲れてしまっていて先行きが怪しい。さらに進むと長い登坂になり歩いて進む。登りきる手前で宮城県に入る。宮城はまだまだ先だと思い込んでいたので少し嬉しかった。雲がけっこう厚い感じでいつ雨が降ってきてもおかしくない雰囲気。相変わらず暖かいので雨が降った時にレインウェアを着るかの判断が難しくなりそう。

峠から下っていくと国道4号の歩道がなくなり旧道が並行していたため旧道を進。甲冑堂というお堂があり「奥の細道」と木の標識が立っていた。白石市の市街地で国道4号を通っても市街地を通っても距離が変わらなさそうだったが、市街地方面の道は明らかに下っているため国道4号を選択。下ってから国道4号に復帰するために登りがあったら嫌だなと思ったため。白石市街から西の方角に真っ白な山とスキー場が見えていて地図で確認すると蔵王のようだった。しかし自分が行ったことがある蔵王は見えているのと反対側の山形の蔵王(有名な蔵王)だ。国道4号はここから東に向きを変えて太平洋に向かっていく。白石市街までで一度STRAVAのログを区切り6633 Virtual Raceに送信。送ったばかりのログを加算してかろうじてトップだった。睡眠も少しでかなり苦しい状況までがんばっているのに同じくらい走っている選手がいるというのはかなりプレッシャーになる。

12時ごろ視界が広くなって遠くに海がちらっと見えた。「もうすぐ仙台か?(岩沼市あたりまで来たか?)」と一瞬喜んだがGPSを確認したら全然手前だったのでがっかりした。たった数km手前でも歩いたり走ったりだとkm10分近くかかるため5~6kmでも1時間くらいの大きな違いになってしまう。それでも地道に進み続けるとだんだん海がはっきり見えるようになった。ここまで街と街の間は田園地帯やちょっとした峠があるつなぎ区間という感じだったが、岩沼市以降は名取市、仙台市と3つの市が繋がって街の境界を意識せずに通り過ぎていく感じ。右(東側)仙台空港という標識が多く出てきて仙台がすぐそこということを知る。後から知ったが名取市(と仙台空港)は東日本大震災で津波に飲み込まれた地域だった。ただ国道4号まではぎりぎり到達しなかったようだ。

15時35分に仙台市へ入る。足も痛いしくたくたになっていたので、すき屋に入ってカレーを食べる。カレーを食べながら「今日は仙台で終わりにして、明日からはのんびり行こうかなあ」などと考え始めていた。幸運なことにここまで雨に降られることなく来ていたが小雨が降り始め風が強くなってきた。仙台駅の手前で(といっても仙台駅まであと5kmはある)国道4号から離れて仙台駅前を通る道に入る。国道4号だと仙台市中心部を迂回して回り込む形になり少し遠回りかなというのと、かなり疲れているのでプランBに下方修正して仙台で宿泊しようか悩んでいた。道が東北本線の高架下を通るところで雨風をしのげるので仙台駅前の東横インの空き状況を調べる。空きがあることは確認できたが、まだ明るい時間帯なのに宿泊決定してしまうのは妥協しすぎではないかと思った。

仙台は想像していたよりも大都会だった。これまでの道のりと比べるから余計に大都会に感じるのかもしれない。17時30分ごろ宮城県庁前でSTRAVAのログを一回区切る。白石市からの50kmちょっとに9時間もかかっていてがっかりする。しかしまだ薄っすら明るいくらいなので、もう一区間22kmだけがんばることにした。遅くても4時間あれば到着できるはず。次の街の大和町はホテルも限られているため事前に調べておいたルートインに電話をして予約を入れておく。仙台市街地の中でも下って登ってをして再度国道4号に合流すると次の街との境になると思われる峠に向かって登っていく。仙台市街地を抜けるのにけっこう時間がかかっていて、20時を過ぎても振り返ると仙台市街地の夜景が見えていた(このあたりで隣の市の富谷市に入っている)。この登りで自転車を押して歩いている普通の人に抜かされて「自分はそんなに歩けていないのか」とショックだった。

仙台から遠ざかってだんだん道も暗くなり、また北風に変わって気温もぐっと下がってきた。足も一歩一歩が痛く下り坂でも走り続けることができない。もう1山超えたらホテルに到着して休めると思っていたら2山あった。ようやく遠くにルートインっぽい看板が見えたときにはほんとうにほっとした。ただペースが遅いためそこからまた長いのだが。一度ホテルに入ったらもう動きたくないので、ルートインのすぐ手前のセブンイレブンで夕食としてお弁当を買う。22時ちょうどにホテルに到着。なんとかプランAから20km手前になっただけで踏ん張れた。

ルートインには大浴場もあるが、少しでも動きたくないため部屋の風呂で暖まって食べたらすぐに寝ることにする。靴下を脱ぐと足がマメと水膨れでぼろぼろ。前日と同様に安全ピンで水を抜き眠っている間に乾燥させるようにする。今回のランニングソックスとシューズの組み合わせはやたらと熱と蒸れが発生していて途中のコンビニ休憩などでシューズを脱ぐと地面に足跡がつくほどだったし、元気でいなくてはいけない最初の2日で出し切った感まであるので、もうだめかなあとネガティブになってしまう。とりあえず今夜は時間を気にせず眠ることにした。時間的な制約はないので旅ランと割り切ってしまえば楽になると開き直りながら。